思考と傷
「考え深いひと」
周りはわたしのことをそう言う
いつも、あたまでは、何かを考えている。それに違和感がなかった。
みんな同じだと思っていた。そうではないようだった。
考えすぎだと、もっと気楽に生きなさいと、ママは言った
でも、わたしは、考えすぎる自分が好きだと思った。
こうやって生きてきてよかったと思った。
何事に対しても、意見を持っていることに気付いた。
何を聞かれても、大抵なにか話せることに気付いた。
テーマに対して、何も出てこない人が不思議だった。
きっと、なにも考えてこなかったからだ。
こころは、みんな同じものをもって産まれると思っている。
傷ついている人も、能天気な人も、はじめは白だった。
育つ過程で、こころは色づいていく。
考えて生きてきたわたしは、少しだけ感じやすいこころを持つようになった。
それでも考えることをやめないわたしは、
きっと人よりも、自分の思考に傷ついてきたのかもしれない。
それでも、考えて生きていくことを、少しも躊躇う気持ちがない。
人より、多くを考えて生きてきた。
考えることは、豊かさを得ること。
人より多彩で、想像力のある人間になりたい。
人の痛みに寄り添える人間になりたい。
わたしは、「考え深いひと」でありたい。